2008年09月07日

unsigned-12 プリカジュール風 蝶々ブローチ

鮮やかで幻想的な羽色。
unsigned-12 プリカジュール風 蝶々ブローチ
エルドラドに住まう蝶々と呼ぼう。

プリカジュール装飾のブローチです。50年代のものではないかとのこと。
刻印は「800」とだけ。おそらく主な素材は銀ということですね。

このブローチの魅力は大きくとらえて2つ。

まず1点目は、プリカジュールであること。
正確にはプリカジュールを真似たものであり、おそらくプリカジュール風と
表現するべきかと思いますが、話がややこしくなりますので、
ここではプリカジュールと呼ばせてもらいます。

unsigned-12 プリカジュール風 蝶々ブローチ

プリカジュールは、透かしエナメル(七宝)の技法です。

本来は、裏に薄い金属箔の付いた枠の中にガラスの粉を焼き付けて
その後に薬品処理によってその箔を取り除くという、とても手の込んだ方法らしいです。
他に、金属枠の空間にエナメルを流し込み焼成する方法もあるようです。

要するに、ガラス質の後ろ側に金属は無く、ステンドグラスのような効果を得ることができる
そんなのすっごくきれいに決まってるじゃないのさっ、という、
考案者に金一封をあげても惜しくないような素晴らしい技法なのです。

unsigned-12 プリカジュール風 蝶々ブローチ

日本では、省胎七宝とか透胎七宝と呼ばれているようですが、
15世紀にヨーロッパで開発された技法だとか。
アールヌーボー期のジュエリーに多用されたエナメル技法で、
有名なところではラリックが用いていますね。
もうその当時の品々の美しさたるや、尋常ではありません。思い出してもうっとりです。

そしてこのブローチの魅力、2点目は、蝶々のモチーフであること。

あまり美しいとは言えない幼虫から蛹へ、そして美しい羽を持つ成虫へと成長することから
蝶々は精神世界やスピリチュアルな意味合いで、「変容」の意味を持つそうです。

蝶々モチーフのジュエリーのコレクターさんって結構たくさんいらっしゃいますが
私は、時々出会う蝶々モチーフのジュエリーにピンと来るときがあります。

大概何か懸案を抱えているとき、進むか立ち止まるかを考えているとき、です。
ジュエリーに限らず、そんなときに道を歩いていて蝶々が飛んできたり
ふわっと私の体に止まったり、そんなこともあります。

そんなときは、一歩踏み出して新しく変化するときだ、と、感じます。
ジンクスに過ぎないことですが、こういうお知らせは、軽く背中を押された感じがして勇気が出ます。

ましてはこんな麗しい姿で、海を渡って来て、目の前に現れてくれたと思ったら
心底嬉しいったらありません。(^^)



同じカテゴリー(ヴィンテージジュエリー)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。